🔴タンパク質
タンパク質は、多数のアミノ酸が結合して出来た物質で、筋肉や臓器、皮膚、被毛など、動物の体を構成する成分です。ホルモンや酵素、免疫部室などもタンパク質で作られ、様々な体の機能を調節するためにも重要な役割を果たしています。
人間や犬などの雑食動物はエネルギー源として主に炭水化物を利用していますが、完全肉食動物である猫は、タンパク質を主なエネルギー源として利用しています。
タンパク質は、肉や魚、卵、豆類などの食品に多く含まれています。猫は肉食の為、肉由来のタンパク質が一番望ましい。
猫の1日あたりのタンパク質必要量は、体重1キロあたり7.0グラムです。日本のキャットフードの栄養基準として利用されているAAFCO(*)の栄養基準(2016)では、タンパク質の最低栄養基準は成猫で26%以上となっています。
*AAFCO ペットフードの栄養基準や原材料、表示に関する基準などを定めているアメリカの機関「全米飼料検査官協会」の略称。
タンパク質が不足すると、成長不良や筋肉量の低下、皮膚や被毛の悪化、貧血、免疫力が低下したり傷の治りが悪くなるなどの症状が見られる。一方、タンパク質を過剰に摂取すると体内で利用されずに余ったアミノ酸が糖や脂肪に換えられて体に蓄積され、肥満の原因になります。また、アミノ酸の代謝物であるアンモニアは肝臓で無毒化され腎臓から排泄されます。肝機能や腎機能が低下している猫では、タンパク質の過剰摂取は肝臓や腎臓に負担をかけたり、病態を悪化させる可能性があるため、タンパク質の量と質に配慮した食事を与える必要がある。
◯必須アミノ酸について
たんぱく質の元となるアミノ酸は約20種類あり、この中で体内で必要な量を合成することが出来ないアミノ酸を必須アミノ酸といい、猫の必須アミノ酸は、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェルニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、タウリンの11種類です。
特に重要なアミノ酸
◯アルギニン
アルギニンは、肉類やゼラチンに多く含まれる必須アミノ酸で、アンモニアの代謝や血糖値のコントロールなどに関与している。猫は、アルギニンが欠乏するとこうアンモニア結症を起こし死に至る場合がある。
◯タウリン
タウリンは心筋の収縮や神経の伝達、その他、体の様々な働きに関与しています。人や犬やタウリンを体内で合成できますが、猫はほとんど合成することが出来ません。タウリンは肉類や魚介類に多く含まれていますが、植物には含まれていない為、猫は動物タンパク質を必ず摂取する必要があります。不足すると、網膜の収縮や拡張型心筋症(サイベリアンにも多い病)などの原因になる。
🔵炭水化物
穀物や野菜などに多く含まれている栄養素の一つ。
肉食動物の猫はアミラーゼの分泌量が少なく、炭水化物からできるブドウ糖を代謝する酵素の働きが弱いため頭皮つの多い食事をすると消化不良を起こしたり、高血糖になる可能性があります。一般的なキャットフードには炭水化物が20から35%ほど含まれていますが、穀物を加熱処理するなど消化しやすい形に調理されているので、その程度の量は利用できると言われている。
食物繊維は、消化酵素では分解することができません。栄養として吸収されることはなく、そのまま便に排出され、腸の運動を調節したり、腸内の善玉菌の栄養となって腸内環境を整える働きをします。便秘の改善や毛玉ケア、肥満予防を目的として食事に加えられることがある。
猫はタンパク質や脂質からブドウ糖を合成してエネルギー源として利用することが出来るので、炭水化物は必要ない! *ペットフードの原材料表示をチェックしましょう!
🔴脂肪
脂肪は、同じ量の炭水化物やタンパク質と比べて2倍以上のエネルギーを供給することが出来、猫にとってタンパク質と並んで重要なエネルギー源となっている。また、体内で重要な働きをする脂肪酸の供給源であり、脂溶性ビタミン(ビタミンA ,E ,D,K)の吸収を助ける働きや免疫機能を調節する働き、ステロイドホルモンや胆汁酸、細胞膜の構成成分として、の役割もあります。キャットフードや手作り食では、思考性を高めて食欲を増進させる効果や、腸の動きを良くしたり、便のスムーズな排泄をサポートすることで便秘の予防をする効果を期待して、脂肪分やオイルが添加されることがある。
猫の一日当たりの脂肪の必要量は、体重1キロあたり22グラムです。脂肪の最低基準値は9%以上となっています。脂肪の不足は皮膚や被毛のトラブル、脳神経の異常、繁殖障害などを引き起こす可能性がある。一方過剰摂取は肥満、糖尿病、心疾患や膵炎の原因となる可能性がある。
◯必須脂肪酸とは
脂肪は小腸で消化酵素や胆汁酸の働きによって、脂肪酸とグリセリンに分解され吸収されます。脂肪酸にはたくさんの種類があり、体内で合成することが出来ない脂肪酸を必須脂肪酸と言い、食物から摂取する必要がある。猫の必須脂肪酸は、リノール酸、αーリノレン酸、アラキドン酸の三種類です。
・リノール酸
植物だけが脂肪酸で、動物は合成することが出来ない。多くの植物油に含まれ、皮膚や被毛を健康に保つ働きなどをしています。
・αーリノレン酸
動物には合成できない脂肪酸で、亜麻仁油に多く含まれる。αーリノレン酸は体内でEPA、DHAに変換され、炎症の抑制や新機能、腎機能の保護、認知機能の改善、神経系の発達など様々な働きに関与する。猫も合成する事ができないので、EPA,DHAも食事から摂取することが必要。EPA ,DHAは、魚油や海藻などに多く含まれる。
・アラキドン酸
免疫系や炎症反応、脳や神経系の機能に関与する脂肪酸で、毛こは合成酵素の働きが十分でない為、食事から摂取する必要がある。アラキドン酸は、肉類、レバー、乳製品、卵、魚介類など動物性脂肪に含まれる。
🔴ビタミン
ビタミンは、タンパク質や脂肪、ミネラルなどの代謝に関与し、体のいろいろな機能を調節する栄養素です。ビタミンは大きく水溶性と脂溶性に分けられる。
・水溶性ビタミン・・・ビタミンB1(チアミン)ビタミンB2(リボフラミン)ビタミンB3(ナイアシン)ビタミンB5(パントテン酸)ビタミンB6(ピリドキシン)ビタミンB7(ビオチン)ビタミンb9(葉酸)ビタミンB12(コバラミン)コリン ビタミンC
・脂溶性ビタミン・・・ビタミンA(レチノール)ビタミンD(カルシフェロール)ビタミンE(トコフェロール)ビタミンK
水溶性ビタミンは尿中に排泄される為過剰摂取しても問題ない。体に蓄積されないので、こまめに摂取する必要がある。脂溶性ビタミンは体内の脂肪組織に蓄積されて必要なときに利用することが出来ますが、過剰に摂取すると中毒症状を起こすことがある。
猫で注意が必要なビタミン
・B3(ナイアシン)
ナイアシンはタンパク質、炭水化物、脂肪の代謝に関与していて、欠乏すると下痢などの消化器症状を引き起こし、死亡することがある。猫は合成できない為、食事から摂取する必要がある。レバーや卵、魚などに多く含まれています。
・ビタミンD(カルシフェロール)
ビタミンDはカルシウムやリンの代謝の調節に関与していて、欠乏すると骨や関節、筋肉の異常が起こる。猫は体内でビタミンDを十分に合成できない為、食事中から摂取することが勧められる。卵黄、レバー、魚油などに多く含まれる。
・ビタミンB1(チアミン)
生の魚介類にはビタミンB1分解酵素であるチアミナーゼが多く含まれていて、多量摂取するとビタミンB1欠乏症が起きる。ビタミンB1は神経機能の維持に重要な役割を果たしているので、欠乏するとふらつきや痙攣などの症状が起きる。チアミナーゼは加熱により失活するので、魚介類を与える時には必ず加熱して与えることが大事です。
・ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用があります。日本の猫は、酸化しやすい油(不飽和脂肪酸)を多く含む青魚を食べる機会が多く、十分な量のビタミンEを摂らないと体の脂肪が酸化して黄色脂肪症を発症することが知られてきました。手作り食などでは注意が必要。
🔴ミネラル
ミネラルは、骨や歯、血液などの構成成分であり、また、体液中に含まれて様々な生理機能に関与しています。ミネラルが正しく働くためには他のミネラルやビタミンをバランスよく摂取することが大事。
◯猫の主要必須ミネラル(1日の必要摂取量が100mg以上のもの)
カルシウム、リン、ナトリウム、塩素、マグネシウム
◯猫の微量必須ミネラル(1日の必要摂取量が100mg以下のもの)
鉄、銅、マンガン、亜鉛、セレン、ヨウ素
◯猫で注意が必要なミネラル
・カルシウムとリン
カルシウムとリンは共に歯や骨の構成成分で、この二つをバランスよく摂取することが大事。
リンが多くカルシュウムが少ないとほでからカルシュウムが溶け出し、尿石症の原因となる。また、過剰なリンは腎疾患を悪化させる要因となります。肉にはリンが多く含まれカルシウムが少ない為注意が必要。逆にカルシウムが多くリンが少ないと、骨や関節の疾患につながります。
🔴ナトリウム
ナトリウムの過剰摂取は、猫の高血圧症や尿石症の原因となることがある。また、長期にわたるナトリウムの過剰摂津種が腎臓に負担わかける可能性が指摘されている。
🔴マグネシウム
マグネシウムは、ストロバイト尿石の主成分です。すとろバイト尿石症の予防のためにはマグネシウム摂取量を適度に制限することが有効です。
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